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小西公大(Kodai Konishi)

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専門分野

文化人類学

南アジア社会人類学 社会空間論、社会的ネットワーク トライブ、放浪民、ノマディズム 日本の限界集落における実践的人類学研究

調査地

インド日本中部地方


インド北西部、ラージャスターン州ジャイサルメール県周辺部タール沙漠エリア 調査地であるラージャスターン州ジャイサルメール県は、パキスタンと国境を接するインドの北西部に位置します。起伏のない乾燥した大地が広がるタール沙漠地帯の中心にあたります。士族階層(クシャトリヤ)を主張するラージプート諸王権が跋扈した地で、県の中心部には砂岩で建造された巨大な城塞があります。沙漠のなかにそびえたつその城壁のフォルムの美しさから、世界中の観光客がこの地を訪れます。 沙漠の周辺部には、多様な「カースト」集団が散在して住居を構え、独特の社会的ネットワークを形成しています。諸王侯氏族が中心となって形成した集村や、居を構えない放浪民たちの野営も多く存在します。 マップ:http://goo.gl/SG44L
  • 調査地タール沙漠の風景です。ラクダとともに。
    調査地タール沙漠の風景です。ラクダとともに。
  • ジャイサルメールの城塞のゲート。
    ジャイサルメールの城塞のゲート。

研究概要とこれから

1994年、18歳の時にインドを旅してから、タール沙漠の放浪民の世界に魅了され続けています。主に「トライブ」とされてきたビールの人々と関係を深め、彼らの持つ広範な社会的ネットワークのメカニズムを社会人類学的な手法で研究しております。
 本来「トライブ」といわれてきた人々は社会的・地理的孤立状況がその特徴とされてきましたが、ビール社会の人々は、他「カースト」との密接な関係を維持しながら、社会関係資本を拡充させつつ生計実践を行っています。こうした諸集団が深く結び付く背景には、多様な集団が共有する「王権」にまつわる歴史認識や、特定の女神の神話物語が存在します。関係性を規定するこれらの物語を、関係イディオムとして捉え、現地でみられる複合的な社会状況を解きほぐしていく作業を行ってきました。沙漠に残されている様々な口頭伝承を収集しながら、「人と人が結び付くこと」という根源的な問題に取り組んでいます。
 今後はより移動性の高い、タール沙漠の放浪芸能集団にも焦点を当て、彼らの柔軟な社会的ネットワークの拡大戦略や、芸能そのものが持つ、自/他を結びつけるプリコミュニカティヴ(先伝達的)な社会関係の在り方を明らかにしていきたいと考えています。

研究のキーワード

「トライブ」や放浪民からみる社会空間
・コミュニティ・デザインと実践的人類学研究
・芸能世界からみる<エスノスケープ>

所属

人間文化研究機構 現代インド地域研究推進センター研究員(東京外国語大学拠点 現代インド研究センター)
慶應義塾大学社会学部/首都大学東京都市教養学部/武蔵大学社会学部/東洋大学インド哲学科(非常勤講師)

連絡先

関わっている科研・プロジェクト(HP)

・人間文化研究機構 現代インド地域研究推進プログラム
・「コミュニティ・ハブとしての『廃校』再利用プロジェクト」(トヨタ財団研究助成プログラム)
・フィールド研究者ネットワークウェブ構築委員会(AA研)

主な業績

<論文・書評>
・2000 「西インド,ラージャスターン州ジャイサルメール県に於ける指定部族ビールの生業とその変化」(東京都立大学学士卒業論文)
・2002 「女神・山羊・人――供犠にみる,沙漠に生きる人々の動物観」『リラティオ』15,チクサン出版社
・2003 「インド・『部族』社会運動に対する『開発主義的』言説――ラージプーターナー南部のバガット運動を事例として」(東京都立大学大学院修士学位論文)
・2003 「近現代インドにおける『カースト』――競い合う集団範疇」(藤井毅氏公開研究会発表報告)立教大学アジア地域研究所ニューズレター,No.10
・2004 「『トライブ』表象の系譜――インドにおける『分化』と『同化』のエスノグラフィー」『インド考古研究』25号,インド考古研究会
・2006 「『トライブ』に関するヒストリオグラフィーのポリティクス――ゴーヴィンドギリのバガット運動を事例として」『史苑』 66巻2号
・2007 「『トライブ』と社会関係――女神神話と民俗概念『キスビー』をめぐって」『社会人類学年報』33号
・2008 「日本在留のインド人高齢者の現状――東京都におけるインド人コミュニティを中心として」平成19年度首都大学東京傾斜的研究費「都市形成に関わる研究」(代表:伊藤眞)研究報告書『高齢化社会から熟年社会へII』所収
・2008 「観光と空間認識――伊豆大島・波浮港における表象の在り方をめぐって」平成19年度首都大学東京傾斜的研究費「特徴ある学外・体験型教育プログラム開発・実施のための全学的研究――伊豆大島を拠点として」(代表:渡邊欣雄)研究報告書『波浮の民俗』所収
・2009「神と人/人と人を結びつけるもの――タール沙漠の諸芸能集団をめぐって」鈴木正崇(編)『インド・神話と芸能――神々を演じる人々』所収、山川出版社
・2009 「インド・タール沙漠における『トライブ』社会を中心とした社会関係のイディオムと実践に関する人類学的研究」(東京都立大学大学院博士学位論文)
・2010 「伝承と社会関係――インド・タール沙漠における女神の「物語」とその偏差をめぐって」『現代民俗学研究』Vol.2
・2010「トライブ」田中雅一・田辺明生(編)『南アジア社会を学ぶ人のために』所収、世界思想社
・2011「ラージャスターン州―州民の選挙行動にみる振り子運動」広瀬崇子・北川将之・三輪博樹(編)『インド民主主義の発展と現実』勁草書房
・2011「ゴア州―政治的構造の維持と、政党内の分裂傾向」広瀬崇子・北川将之・三輪博樹(編)『インド民主主義の発展と現実』勁草書房
・2011「それぞれの真正性―タール沙漠・楽士集団マーンガニヤールの『伝統』と『モダニティ』をめぐる一考察」人間文化研究機構プログラム「現代インド地域研究」東京外国語拠点ワーキングペーパー
・(印刷中)「『カースト』と『トライブ』――集団範疇をめぐる政治学」金基淑(編)『カーストからインドがわかる30章』明石書店
・(Now Printing)(共著)Jaisalmer: Life and Culture of the Indian Desert, New Delhi: D.K. Printworld.

<編著>
・2007年 伊藤眞・小西公大(編)『高齢化社会から熟年社会へ―都市形成過程における高齢者の多様化とそのセーフティネットワークの構築』(平成18年度首都大学東京傾斜的研究費研究成果報告書)
・2008年 渡邊欣雄・小西公大(編)『波浮の民俗―伊豆大島波浮地区調査実習報告書』(平成19年度首都大学東京傾斜的研究費「特徴ある学外・体験型教育プログラム開発・実施のための全学的研究―伊豆大島を拠点として)
・2009年 高桑史子・小西公大・梅村絢美(編)『泉津の民俗―伊豆大島泉津地区調査実習報告書』(平成20年度首都大学東京傾斜的研究費「特徴ある学外・体験型教育プログラム開発・実施のための全学的研究―伊豆大島を拠点として)
・2011 小西公大(編)『創造される非日常的世界―「伝統的祭礼」と「都市型イベント」に関する社会調査』(2010年度 武蔵大学社会学部社会学科 社会調査実習調査報告書)
・(印刷中) 小西公大・門田岳久・杉本浄(編)『廃校と地域社会のポリティクス―「コミュニティ・ハブとしての<廃校>再利用プロジェクト」中間報告書』(2009―2011トヨタ財団研究助成プログラム)

<エッセイその他>
・2007 「王の称号とラージプート諸王朝」『coyote』No.19,スイッチ・パブリッシング
・2007 「タール沙漠の芸能集団とそのパトロンたち」『coyote』No.19,スイッチ・パブリッシング
・2007 「『ジプシー』はどこからきたのか――インド起源説について」『coyote』No.19,スイッチ・パブリッシング
・2008 「クロトン」「チンスコウ」「ヤンバルセン」「ユッカヌヒー」「ワカナツ」(辞典項目)『沖縄民俗辞典』吉川弘文館
・2009 「インド、人間分類の迷宮(座談会)」『AsiaWave』Vol.172 アジア文化社
・2009 「インド、民俗の秘奥と近代化(座談会)」『AsiaWave』Vol.173 アジア文化社
・2009 「沙漠の観光化がもたらしたもの――ラージャスターン州ジャイサルメールから」『インド通信』第369号 インド文化交流センター
・2010 「フィールドワーカーのためのネットワーク:Fieldnetへようこそ!(座談会)」東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所『FIELD+』 Vol.4
・(印刷中)「部族の宗教」『世界宗教百科事典』丸善出版

<口頭発表>
・2000 「指定部族ビールの生業と社会変化――卒論の成果と今後の課題」拓殖大学インド宗教文化研究会
・2001 「ラージャスターンにおけるフィールド調査報告と今後の展開」拓殖大学インド宗教文化研究会
・2003 「<部族>概念の系譜学と開発主義――英国植民地期におけるビールの社会宗教改革運動を事例として」拓殖大学インド宗教文化研究会
・2004 「『トライブ』表象の系譜――インドにおける『分化』と『同化』のエスノグラフィー」インド考古研究会
・2005 「開発の倫理と関係性の力学――『トライブ』と人類学の境界から」第6回開発協力広場(JICAインド事務所)
・2006 「社会的ネットワークと女神信仰――タール沙漠の「トライブ」散村の事例から」第39回南アジア研究集会
・2006 「社会的ネットワークと女神信仰――タール沙漠の「トライブ」散村の事例から」日本南アジア学会第19回全国大会
・2006 「『トライブ』の社会空間――インド特殊論を超えて」東京大学 現代人類学研究会
・2007 「女神信仰とコミュニティ間ネットワーク――ラージャスターン西部タール沙漠エリアのトライブを事例として」東京都立大学・首都大学東京社会人類学研究会
・2007 「女神信仰と社会空間――インド北西部タール砂漠における女神の神話と聖地をめぐって」日本文化人類学会,第41回研究大会
・2007 「神と人/人と人を結びつけるもの――タール沙漠の諸芸能集団をめぐって」2007年度国際交流基金・アジア理解講座(特別講師として)
・2008 「選択された神々――タール沙漠における『トライブ』社会の信仰の『複数性』をめぐって」日本文化人類学会,第42回研究大会
・2009 「女神信仰と社会空間――インド北西部タール沙漠におけるトライブの移動と聖地を巡って」第一回fieldnetラウンジ, 東京外国語大学本郷サテライト
・2009 「<成長>し続ける聖地――西部インド・タール砂漠エリアの信仰実践」東洋大学エクステンション講座「東洋思想への誘い――インド世界の聖地信仰」東洋大学白山キャンパス
・2009 「<重い文化>と<軽いモダン>――インド・タール沙漠における、ある「トライブ」青年の社会関係実践をめぐって」第42回南アジア研究集会
・2009 「人類学的『村落』研究の系譜と現在」第三回現代民俗学研究会「『社会』再考――村落研究から展望する新しい社会像」お茶の水大学
・2010 「それぞれの真正性―タール沙漠・楽師集団マーンガニヤールの「伝統」とモダニティをめぐる一考察」東京外国語大学現代インド研究センター「南アジア芸能から見る現代(いま)」東京外国語大学本郷サテライト
・2010「"Folk Music"が生み出される時―インド北西部における芸能集団をめぐる現状とモダニティの諸相」第15回東京大学東洋文化研究所・ASNET共催セミナー
・2010「原インドの世界―村落の祭祀と〈フォーク・アート〉」東洋大学エクステンション講座「東洋思想への誘い―インド哲学・仏教のエッセンスを探る」
・2010「人類学教育の諸問題に対する私論/試論―受講生の持つ『リアリティ』から考えてみる」日本文化人類学会関東地区懇談会「教室/大学というフィールド―文化人類学の何をどう伝えるか」(立教大学)
・2010「自分を壊す、そしてつながる―インド・タール沙漠のフィールド経験から」独協大学全学総合講座「フィールドワークで読み解く世界」(獨協大学)
・2011「沙漠のフィールドワーク――黄砂岩をめぐる学際的研究の可能性」日本地球惑星科学連合2011年大会
・2011「我々はジプシーではない――タール砂漠における芸能集団の<エスノスケープ>の諸相」慶應義塾大学人類学研究会(三田哲学会との共催)
・2011「新たな<エスノスケープ>への階梯――タール沙漠のムスリム楽士たちのグローバル経験から」日本文化人類学会45回研究大会

所属学会

日本文化人類学会
東京都立大学社会人類学会
南アジア学会
現代民俗学会

自分の研究とつながりを期待する研究分野・テーマ

その他