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飯高伸五(IITAKA, Shingo)

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専門分野

文化人類学

文化人類学・民族学 オセアニア地域研究 太平洋史学

調査地

日本パラオ関東地方沖縄


パラオ共和国(2001年~現在) 沖縄県(1998年~現在) 神奈川県横浜市鶴見区・川崎市(2006年~現在)
  • パラオ共和国オギワル(Ngiwal)州
    パラオ共和国オギワル(Ngiwal)州

研究概要とこれから

 グアムを除く赤道以北のミクロネシア地域は1914年から約30年間にわたり日本統治下にありました。当時南洋群島とよばれたこの地域のなかでも、南洋庁が置かれ、統治の中心地であったパラオでフィールドワークを実施してきました。当初は在来の伝統的首長制とアメリカ統治下で導入された民主政治との節合という現代的なテーマを扱っておりました。しかし、調査を進めるにつれて、次第に人々にとって日本統治経験が現在に至るまでまで大きな影響を及ぼしていることがわかってきました。そこで、歴史人類学的な観点から人々にとっての日本統治経験を掘り下げて調査するようになりました。具体的には日本人移住者がほとんど入植しなかった村落と、日本統治期末期に大規模な鉱山開発が行われた村落との双方で調査を実施し、比較検討を行っております。
 さらに、こんにちのパラオで頻発している首長位称号継承をめぐる争い、土地権をめぐる争といった現代的なテーマにも触手を伸ばし、係争の歴史的な淵源はどこにあるのか、係争なかで伝統に関する知識がいかに構築されるのかを明らかにしようと試みております。
 沖縄では旧南洋群島からの帰還者に聞き取り調査を実施し、当時の移住の過程、現地での生活の実態を再構成するとともに、現在行われている同窓会や慰霊祭の参与観察を行ってきました。また、最近では神奈川県横浜市鶴見区、川崎市における同郷者集団(県人会、郷友会)の調査を行い、外地の事例との比較検討に取りかかろうとしています。

研究のキーワード

植民地経験、伝統的首長、土地訴訟、移民、パラオ、南洋群島

所属

日本学術振興会特別研究員PD/筑波大学

連絡先

関わっている科研・プロジェクト(HP)

●プロジェクト
国立民族学博物館試行的プロジェクト-若手研究者による共同研究「人の移動に注目した場所・空間・景観の文化人類学的研究」(代表者:市川哲)(2008年10月~、共同研究員)
国立民族学博物館共同研究「日本人類学史の研究」(代表者:山路勝彦)(2007年10月~、共同研究員)
●科研
脱植民地期ミクロネシアの土地訴訟にみる伝統的知識の構築に関する社会人類学的研究(2008年度、特別研究員奨励費)

主な業績

2008年12月31日 "Appropriating Successive Colonial Experiences to Represent National Culture: A Case Analysis of the Revival of War Canoes in Palau, Micronesia." People and Culture in Oceania. 24: 1-29.
2008年12月26日「第9回太平洋芸術祭の裏側―パラオ共和国オギワル州におけるギルガムラス公園の造成」『南方文化』35:123-151。
2008年4月4日「同郷者集団の文化創造―鶴見沖縄県人会の事例から」中牧弘允・佐々木雅幸・総合研究開発機構(編)『価値を創る都市へ―文化戦略と創造都市』NTT出版、230-233頁。
2007年8月31日「伝統的首長の内地観光―ミクロネシア・パラオ社会の事例」『民俗文化研究』8: 200-217。
2007年6月15日「パラオ共和国の土地台帳―残された植民地資料の現地社会への影響に関する試論」『日本植民地研究』19:34-41。
2007年3月「同郷者集団における高齢者の活動―鶴見沖縄県人会の事例」伊藤眞(編)『高齢化社会から熟年社会へ―都市形成過程における高齢者の多様化とそのセーフティネットワークの構築』(平成18年度傾斜的研究費(首都大学東京)「都市形成に関わる研究」)、9-21頁。
2007年3月30日「同郷者集団の高齢化と適応戦略―川崎沖縄県人会の事例」(渡邊欣雄と共著)『人文学報』(首都大学東京)378: 47-59。
2006年11月30日「パラオの葬儀における首長位称号の客体化―屋敷地への埋葬と食物の分配を事例として」『社会人類学年報』32: 127-143。
2006年8月31日「ガラトゥムトゥンの踊る安里屋ユンタ―パラオ共和国ガラスマオ州における『アルミノシゴト』の記憶」『民俗文化研究』7: 104-120。
2006年6月15日「日本統治下南洋群島における『島民』村吏と巡警―パラオ支庁マルキョク村の事例分析を通じて」『日本植民地研究』18: 1-17。
2005年12月30日「ミクロネシア・パラオ共和国における戦闘カヌー復興の分析」『文化人類学研究』6: 116-131。
2005年12月20日「品評会、国連デー、ベラウ・フェアー―ミクロネシア・パラオにおける文化イベントの系譜」『日本オセアニア学会 NEWSLETTER』83: 1-10。
2002年8月30日「ミクロネシア研究における『植民地状況下の政治意識』」『社会人類学年報』28: 199‐217。
1999年12月10日「日本統治下サイパン島における沖縄県人移民とチャモロ」『日本オセアニア学会 NEWSLETTER』65: 2-8。
1999年8月30日「日本統治下マリアナ諸島における製糖業の展開―南洋興発株式会社の沖縄県人移民導入と現地社会の変容」『史学』69-1: 107-140。

所属学会

日本文化人類学会
東京都立大学社会人類学会
日本オセアニア学会
早稲田大学文化人類学会会員
日本植民地研究会
日本オーラルヒストリー学会

自分の研究とつながりを期待する研究分野・テーマ

その他