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伏木香織(FUSHIKI Kaori)

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専門分野

地域研究芸術学文化人類学社会学

文化人類学、民族音楽学(音楽人類学)、社会学、地域研究、芸術学

調査地

インドネシアシンガポール日本東北地方関東地方中部地方


東南アジア、インドネシア、シンガポール

研究概要とこれから

平成20年~現在 音のエージェンシーに関する研究
「もの」としての音現象とその周辺は、どのようなエージェンシーをもち、人を操作しているのか。音の「もの」としての側面、言葉と音の関係、音の周辺的要素としての環境、音の現場などに寄り添い、音のエージェンシーとその広がりを見つめる研究。音の意味論や、サウンドスケープ論的思考に還元されない音の「もの」としてのエージェンシーを見つめたい。主としてシンガポールの華人芸能、宗教儀礼を中心として、その周辺に広がり、エージェンシーのネットワークを広げる音の姿を研究している。

平成20年~現在 「もの」と音との関係に関する研究
楽器という「もの」は音と人にどのような影響を及ぼしているのか。また音をとりまく現象、主として身体表現と知の連続したものという形であらわれる「もの」は、人や環境のなかにあって、どのように生成し、展開し、変容しているのか。そしてそれはどのように人に力を及ぼしているのか。バリ島のガムラン、ガムラン・ガンブーの主奏楽器スリン・ガンブーを題材に研究をすすめている。

平成16年~現在 アジェッグ・バリをめぐる研究
 アジェッグ・バリとは、バリ島において「バリらしさ」というローカル・アイデンティティを求めて提案され、実行されるようになった概念とその行動一式である。研究を始めた当初、アジェッグ・バリという言葉はまだ創出されておらず「クバリアン(バリらしさ)」という概念が提唱されたばかりであった。当初はその「クバリアン」をめぐる芸能を担う人々の研究からスタートしたが、研究はその時々の変化、動きに即応して現在進行形で行われ、アジェッグ・バリという言葉がうまれてからは、アジェッグ・バリに関連する研究となった。研究対象は徐々に広がり、アジェッグ・バリという名のもとに行われるあるいはそれに伴う活動、文化運動、文化政策などの全体像を把握しようと試みて、これまでの先行研究が指摘してこなかった新しい芸能集団とその芸能の実態についての研究を行う。この研究では、音楽をめぐる行動、現象が、ローカル・アイデンティティを求めて提案され、実行されるようになった概念に結びつけられ、概念を実行する/行為化するものと化した結果、音を作り出す社会集団のあり方が変化し、あるいは新たに社会集団が生成され、音を作り出す現場に変化が起こったほか、人々の持てる技術の差によって、音[楽]そのものも変わっていくのを見ることとなった。音を取り巻く環境の変化と「音」そのものおよび人々に及ぼす影響については、現在も研究を続けている。

平成16年~現在 ポップ・バリ(バリ島に行われるポピュラー音楽)の研究
 この研究はローカル・アイデンティティをめぐる研究のひとつとしてはじめたが、グローバルとローカルの力関係の間で、または自己と他者との関係性のなかで、音楽が他者に及ぼす力を考える研究となっている。

研究のキーワード

エージェンシー、もの、音、エクソフォニー、環境、現場性、社会、アイデンティティ

所属

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 ジュニア・フェロー

連絡先

関わっている科研・プロジェクト(HP)

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究プロジェクト「多元的想像・動態的現実としての「華人」をめぐる研究(研究代表者:津田浩司)」

主な業績

■著作
2011年3月「「生きる」楽器--スリンの音の変化をめぐって」『ものの人類学』河合香吏、床呂郁哉編、京都:京都大学学術出版会(1月、東京:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所版あり)、211-234頁
2010年11月 (共著)『アジアのポピュラー音楽にみるグローバルとローカルの相克』井上貴子編著、東京:勁草書房
※第4章「アジェッグ・バリとポップ・バリ--ローカル・アイデンティティをめぐる文化運動とバリ島のポピュラー音楽の変遷」、文献・資料案内の執筆、第8章「オーストラリアにおける和太鼓の受容と土着化:ハイブリッドのオーストラリア太鼓音楽まで道」(ヒュー・デフェランティ著)の翻訳担当
2006年1月 『バリ島デンパサール市における地域文化の創造、伝承、変容--地域における女性ガムラン・グループが示すもの』東京:板橋区教育委員会(歴史民俗研究--桜井賞受賞論集、3輯)

■学術論文
2009年7月'Reconsideration of Local Identity through Performing Arts in the Era of Otonomi Daerah.' in Asian Transformation: The Work of the 2006/2007 API Fellows, p.138-144.
2009年3月「メディア・コングロマリットによるイメージ戦略--ポップ・バリとローカル・アイデンティティ」『東京藝術大学音楽学部紀要』34号、139-156頁
2008年4月「アジェッグ・バリ」とその実践--インドネシア・バリ島の子供たちの芸能活動をめぐって」『哲学』119集(特集 文化人類学の現代的課題II)、429-255頁(慶應義塾大学・三田哲学会)
2007年9月「ゴン・ペーカーカーの演奏技法--バリ島のジェンダー観を反映する女性ガムラン」『東邦音楽大学音楽学部紀要』16輯、37-52頁
2007年3月「加えられたグンデル・ワヤン--バリ島の正月ニュピをめぐる新習慣と村の音の10年」『東京藝術大学音楽学部紀要』32号、141-162頁
2005年3月「「バリ文化」再考--ガムラン奏者のプロフェッショナル化が意味するもの」『大正大学大学院研究論集』29号、367-379頁
2002年7月「バリ島の儀礼におけるグンデル・ワヤン--音の力と意味」『東方学』104号、92-105頁

■招待講演
2010年8月'Toword a New Anthro-cultural Understanding of "sound" in the Balinese Music'. ARI-Weekly seminars, at Asia Research Institute of National University of Singapore.
2009年11月早稲田大学演劇博物館グローバルCOE舞踊研究コース研究会 「バリ舞踊研究」
講師:伏木香織、猪野尾洋美

■学会等口頭発表
2010年6月‘"Pop Bali Alternatif" and its effects on the Balinese Society: "XXX" as an example’ Inter-Asia Popular Music Studies Conference 2010 in Hongkong.
2009年10月 「トゥカップ・ルバンとスリン・ガンブー--「生きる」楽器がもたらす音[楽]の変化」 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究プロジェクト「「もの」の人類学的研究―もの、身体、環境のダイナミクス(主査:床呂郁哉)」
2008年7月 'An Image Strategy of Media Conglomerate: Popular Music as Agitation Tools for Local Identity.' Inter-Asia Popular Music Studies Conference 2008 in Osaka.
2008年5月 「急進化する"アジェッグ・バリ"--インドネシア・バリ島における文化をめぐる概念の成立とその戦略化」日本文化人類学会、42回大会
2007年11月 'Local Identity Reformation through Performing Arts and Social Reactions in Otonomi Daerah Era.' The Sixth Asian Public Intellectuals Workshop on the theme "Asian Transformations in Action." Davao, the Philippines.
2007年7月 「「バリ」を求めて--ポップ・バリの変遷と隆盛」東洋音楽学会東日本支部33回定例研究会・日本ポピュラー音楽学会特別例会、シンポジウム(テーマ:ポピュラー音楽にみるローカリティ)
2006年6月 「バリ島デンパサール市における地域文化の創造、伝承、変容--地域における女性ガムラン・グループが示すもの」日本文化人類学会、40回大会
2005年11月 「「地方文化の精華」の模索--国民文化としての舞踊は成立したか」日本ポピュラー音楽学会、17回大会、ワークショップB
2005年10月 「「バリ文化」の表象-プロフェッショナル化したガムラン奏者たち」東洋音楽学会、56回大会
2005年3月 「プロフェッショナルの誕生--「バリ文化」を表象するデンパサールのガムラン奏者たち」日本文化人類学会、関東地区研究懇談会

■主要イベント・企画公演実績
2009年9月 API Fellowship Regional Project in Biwako special focus on the theme "Community-Based Initiatives toward Human and Ecological Balance"
ワーキング・グループメンバー(ロジスティック担当)
2009年7月 Terang Bulan*f ガムラン公演 バリ公演、川崎公演 制作・出演
2009年3月 Terang Bulan*f ガムラン公演 東京公演 制作・出演
2008年9月 ジョゲッ・ピンギタン2008 日本公演 東京公演制作責任、Website作成責任者
2008年8月 クーリヤッタム2008 日本公演 上演委員会委員、東京公演制作スタッフ、 Website作成責任者
2007年6月 創作ガンブー公演「竹取物語」 制作責任
2005年8月 クーリヤッタム2005 日本公演 東京公演制作スタッフ

■主要海外演奏実績
2010年5月 “Crossoverlap” in API 10th Anniversary Regional Celebration, Creative Index.
主催:The Nippon Foundation Fellowships for Asian Public Intellectuals
於:アテネオ・デ・マニラ大学 (マニラ、フィリピン)
2009年8月 Parada Gong Kebyar Wanita dan Anak-anak tahun 2009
主催:インドネシア共和国バリ州デンパサール市
於:ププタン・バドゥン広場(デンパサール)
2009年7月 Pesta Kesenian Bali
主催:インドネシア共和国バリ州、於:アートセンター(デンパサール)
2006年9月 Geguritan Interaktiv
インドネシア国営放送バリ支局制作、バリ語ローカル番組、於:デンパサール市
2003年8月 7th Nusa Dua Festival
主催:インドネシア共和国バリ州、於:ヌサ・ドゥア
2000年6月 Pementasan Gamelan Sekar Jepun
主催:インドネシア共和国バリ州タバナン県、於:タバナン県トゥンジュク村
2000年6月 International Gamelan Exhibition 2000
主催:インドネシア共和国バリ州、於:インドネシア国立芸術大学(デンパサール)
1996年6月 Pesta Kesenian Bali
主催:インドネシア共和国バリ州、於:アートセンター(デンパサール)
1995年12月 International Gamelan Festival
主催:インドネシア共和国、於:プランバナン寺院(ジョグジャカルタ)
1994年6月 Pesta Kesenian Bali
主催:インドネシア共和国バリ州、於:アートセンター(デンパサール)

所属学会

日本文化人類学会、東南アジア学会、東方学会、東洋音楽学会、International Council for Traditional Music、日本ポピュラー音楽学会、International Association for the Study of Popular Music、Inter-Asia Popular Music Studies Group

自分の研究とつながりを期待する研究分野・テーマ

■研究分野
自然、生態関連、材料工学、音響学関連、社会学、哲学、歴史学

■地域
東南アジア、太平洋地域、東アジア、南アジア、西アジア

その他

■FYI(各種公募など)

1)APIフェロー(Asian Public Intellectuals Fellowship)2012-2013年度の募集が始まりました。
詳細はhttp://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/api/about/index.htmlを参照してください。