パキスタン

 
  • 1.外務省ホームページ 各国・地域情勢

    パキスタン・イスラム共和国: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/pakistan/index.html
  • 2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)

     パキスタン航空の成田発北京経由イスラマーバード行きの定期便が週二往復ある。また、タイ航空のバンコク乗り継ぎで、カラチ(カーエデ・アーザム国際空港)、ラーホール(アッラーマ・イクバール国際空港)、イスラマーバード(ベーナジール・ブットー国際空港)の各都市へ行くことができ、便数も多く乗り継ぎ時間のロスも比較的少ない。その他、キャセイパシフィックのバンコク—カラチ、カタール航空のドーハ—カラチ、エミレーツのドバイ—カラチあるいはラーホールなどの定期便がある。上記3空港のほか、州都ではペシャーワルとクエッタに国際空港があり、いずれもパキスタン航空のほか湾岸各国との定期便が飛んでいる。

     ホテルは大都市では高級ホテルから安宿まで各種ある。またイスラマーバードでは、ゲストハウスと呼ばれる住宅街の中の宿泊施設があり、料金も手頃で清潔・安全なところも多い。長くつづくところもあるが消長もあるので、なるべく近い時期に滞在した人からの情報収集が望ましい。大都市の高級ホテルには欧米人の滞在が多いために、一時爆弾テロの標的となった時期があることから、一般に現在でもセキュリティはきわめて厳しい。

     両替は、空港でもできるが、市内の両替店の方が若干レートがいい。都市部には両替店が多く、大きなホテルではフロントでも両替ができる。ATMでの引き出しも可能であるが、故障していたり、以前にあった場所になくなっていたりということもあるので、現金をもっているほうが確実である。ホテルによっては日本円の両替は断られることもあるが、両替店では日本円から直接両替が可能である。

     国内では一般に公共交通が未発達のため、移動は自家用車、タクシー、レンタカーなどによる。ただし都市ではオートリクシャーが流しており、市内の移動には便利である。空港からの移動は、ホテルの出迎えを頼むか、空港でタクシー、レンタカーを手配する。タクシーの場合、料金はメーターで支払うのか、あらかじめ値段交渉をして妥結するか、乗る前に確かめる必要がある。ところで2012年、ラーホールで高架のバス専用道路を走る路線バスの運行が開始された。これはトルコの技術支援によるパンジャーブ州政府の事業で、10分間隔でラーホール中心部から郊外のカスールまで運行されている。女性の乗客の姿も多く、見かけたどのバスも満員に近いようだった。2013年の選挙を前にした人気取りと揶揄する声もあるものの、実際に住民の利便性は向上しているように見受けられる。

     2013年2月現在、1ルピー=約1円で、ラーホール空港から市内中心部まで1500ルピー。レンタカーは運転手つきで1日借りて6000ルピー+ガソリン代実費だった。ちなみにガソリンは近年上昇しており、150-160ルピー/リッターだった。

     治安状況は2001年以後大きく変わった。窃盗や強盗などの一般犯罪に加え、爆弾テロの危険が加わった。一時期に比べれば改善してきているが、前述のとおり、外国人が立ち入るホテルや施設は厳重な警戒下にある。その他、大都市圏では反政府運動やストライキで道路の封鎖や通行の際のチェックなどがある。治安について過度に恐れる必要はないが、適切な情報収集は欠かせない。
  • 3.医療情報

     義務づけられている予防接種はないが、一般に水を介して感染する肝炎や、酷暑期から雨期、夏にかけてコレラやデング熱の危険が高まる。また細菌性の下痢を防ぐため、生ものをさけるなどの配慮は必要である。都市には病院があり、薬局もある。国内最高レベルの医療機関では比較的高水準の医療を受けることもできるが、機会は限られている。また市販薬は日本と処方が異なるためか、効き方が強い場合もある。風邪薬や腹痛、下痢の常用薬、軽い怪我の際の化膿止めなどは、できれば持参するほうがよい。
  • 4.通信環境

     固定電話は故障が多く、携帯電話が普及している。公衆電話は、店舗の中などで管理されているもの以外はほとんど使用不能である。インターネットのアクセスは都市部では容易であるが、ホテルの自室で使いたい場合には、通信環境の確認が必要である。ホテルによってはビジネスセンターやロビーにコンピューター端末をおいて、有料でインターネットに接続できる。インターネットカフェなども都市によってあるが多くはない。
  • 5.ビザ、調査許可

     出発前にあらかじめビザを取得する必要がある。日本で取得する場合、東京のパキスタン大使館に申請する。観光ビザ、商用ビザ、報道ビザなどがある。観光ビザはシングル・エントリーで3ヶ月間有効。申請書はパキスタン大使館のサイトからダウンロードが可能で、ホテルの予約確認書や航空券の予約書、旅程表などを提出する。書類に問題がなければ申請当日に受け取ることができる。遠隔地からの申請の場合、各旅行会社の申請代行を利用できる。
     留学や長期滞在の場合は,就学ビザ、調査ビザを取得する必要がある。受け入れ大学・研究機関の証明書や保証人が必要。大学間の協定や留学実績があれば比較的スムーズに手続きが可能であるが、最低でも半年から1年の準備期間を考慮する必要がある。
  • 6.カウンターパート、来日経験のある研究者

     東京外国語大学と大阪大学(大阪外国語大学)は、常時パキスタンからの客員教授が滞在しており、歴史的に日本とパキスタンの学術交流に重要な役割を担ってきた。その他にも、パキスタン人研究者は,日本の大学や研究機関の招聘などでコンスタントに来日している。パキスタン政府の高等教育委員会が認可している大学は127大学ある(2012年現在)。その中で、日パの研究者や学生の交流が比較的多く知られている大学,研究機関としては、以下のものがある。
    イスラマーバード首都圏: カーエデ・アーザム大学、COMSATSインスティテュート、国際イスラーム大学、戦略研究所、地域研究研究所
    パンジャーブ州: パンジャーブ大学、LUMS、ガバメント・カレッジ、ラーホール経済大学
    スィンド州: カラチ大学、スィンド大学

     近年来日したパキスタン人研究者の一例を挙げれば、東外大、阪大の客員以外に、ムハンマド・ワシーム(LUMS)、パルヴェーズ・フードボイ(カーエデ・アーザム大学)、アーイシャ・ジャラール(ラーホール生まれ、米タフツ大学)、ジア・ミアーン(ラーホール生まれ、米プリンストン大学)など。
  • 7.大学図書館、アーカイブス、本屋

     上記大学の図書館の他、イスラマーバードの国立文書館には分離独立期の文書が収蔵されているが、整理・保管状況はあまりよくない。ムハンマド・アリー・ジンナー関連の文書がまとめられ、順次刊行されている。
     人文・社会系の書籍をそろえた書店としては、イスラマーバードのVanguard,Mr. Books, Feroszonsなどが知られている。また出版社ではラーホールのMang-e-Meel Publicationsが、版権の切れた古い書籍の再版を手がけ、稀覯本であったものが一般の研究者にも入手可能になったことは特筆される。同社は店舗も持ち、自社出版物に限らず扱い、ラーホール随一の書店でもある。
  • 8.機材・資料の持ち出し、持ち込み

     書籍は大きな書店では郵送の手続きをしてくれるので、まとめて依頼すれば、梱包などの手間が省ける。自分で送る場合はGPOに持ち込む。小包はすべて白い布で包み、糸で縫って封蝋をしなければならないが、郵便局が無料でしてくれる場合と、近くにいる業者に有料で依頼しなければならない場合がある。自分で白布を買って縫えればそれでも可であるが、労力を考えれば依頼する方が丈夫で安上がりかと思われる。SAL便、航空便、船便がある。荷物の重量は30キロまでである。郵便局で中身を改められることもある。古書は骨董品として持ち出し制限の対象になる場合がある。詳細な地図も送れない場合がある。
     荷物を送る場合、おおむね無事に到着することが多いが、盗難や、途中で開封されることもある。貴重な資料は自分で持ち帰る方が安全である。
  • 9.調査グッズの現地調達

     文具、カメラ、コンピューター、電池などの消耗品類は基本的に現地で入手できる。ただし、選択肢は限られ、価格も高くつくことがある。
  • 10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研

    (自然環境、歴史、政治、経済、宗教、文化など各分野で活躍する研究者など)
     人文・社会系研究者で、パキスタンを研究対象としている研究者は少なくはないので、すべてを網羅することはここでは難しい。インド研究を主としながら、パキスタン研究に大きく貢献をしている研究者も多い。そのような前提の上で、以下にパキスタンを第一の研究対象とする研究者を順不同に挙げておく。一応の分類はしているが、文学研究者はイスラーム思想にも精通しているなど、研究テーマが幅広い研究者も多いことに留意されたい。

    ・ウルドゥー文学・ウルドゥー語学・イスラーム思想
    加賀谷寛、鈴木斌、麻田豊、萩田博、片岡弘次、松村耕光(大阪大学)、山根聡(大阪大学)、萬宮健策(東京外国語大学)
    ・パキスタン政治、インド・ムスリム史
    浜口恒夫、山中一郎、深町宏樹、井上あえか(就実大学)
    ・パキスタン経済
    平島成望(日本福祉大学)、黒崎卓(一橋大学)、小田尚也(立命館大学)、牧野百絵(ジェトロ・アジア経済研究所)
    ・人類学(パキスタンを主たるフィールドとする)
    子島進(東洋大学)、村山和之(和光大学)

     筆者の知る限りで、現在進行中のパキスタンに特化した科研としては以下のものがある。
    ・基盤研究B「9.11後のパキスタンにおける権力構造の変化に関する複合的研究」(H.2011-2014年度)
    ・基盤研究B「南アジア諸語イスラーム文献の出版・伝播に関する総合的研究」(H.2012-2015年度)
     また、NIHU(人間文化研究機構)地域研究推進事業の「現代インド地域研究」と「イスラーム地域研究」にもパキスタン研究者が加わっている。
  • 11.そのほか、各地域情報など

    中東・イスラーム諸国の政治状況に関するデータベースの中の、パキスタンの頁
    http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~dbmedm06/me_d13n/database/pakistan.html
    日本・パキスタン協会
    http://www.nippa-kyokai.org/
    在日本パキスタン大使館
    http://www.pakistanembassyjapan.com/indexjp.html

                                                      (2013年3月現在 井上あえか)

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