ラオス

 
  • 1.外務省ホームページ 各国・地域情勢

    ラオス人民民主共和国: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/laos/index.html
  • 2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)

    <入国> 
     空路:日本からラオスへの直行便はまだない。バンコク経由ヴィエンチャン行きが一般的。他にもベトナムやカンボジアなどを経由するルートや、到着先を北部のルアンパバーン、南部のサワンナケートやパクセーにするルートもある。
     陸路:内陸国であるラオスには、隣国から陸路で入国することも可能である。国際バスを利用するのが一般的。2009年からバンコク―ヴィエンチャン間に鉄道が通った。ただ陸路での入国では、審査で手間取ったり、場所によってはイミグレーションが閉鎖されたりすることもあるので注意が必要。

    <国内移動> 
     国内線に関してはラオス航空のサイト(http://www.jumping-lao.com/air/)を参照のこと。本社オフィスはナンプ広場からメコン川に向かう道沿いにある。遅延や欠航などがしばしばあるので注意。
     バスでの移動は、旅行代理店や宿でチケットを手配できる。北部と南部でターミナルが異なるので注意。どちらも郊外にあるので、そこまではトゥクトゥクなどで移動する。
     ルアンパバーンやパクセー行きの路線にはVIPバスがある。

    <ホテル> 
     ヴィエンチャン、ルアンパバーンには、高級ホテルからドミトリーまで各種宿泊施設が揃う。それ以外の地域では安宿と中級ホテルがメイン。ホテルやゲストハウスの建設ラッシュで、情報誌に載っていない新しい宿もたくさんある。いろいろ試して、自分の定宿を探してみてください。
     設備に不具合があることが多いので、チェックイン前に要確認。設備内容は当たり前だが値段に相応。安いゲストハウスだとクーラーやホットシャワーがついていない。地方のゲストハウスだと、バケツに水を溜めて桶ですくって水浴びをする。
     料金はドル表示が多いが、キープはもちろんタイバーツでも支払いは可能。レートを見比べて支払うとよい。また長期滞在の場合、割引交渉が可能な宿が多い。
     ヴィエンチャンで日本人に人気のホテルは、ラーオプラザホテルの裏手にある「Day Inn Hotel」。値段もほどほどで雰囲気の良いホテル。日本人の利用客が多いので安心する反面、妙な気を使ってしまうから私は少々苦手。

    <換金> 
     通貨単位は「キープ(kip)」。1USドルが約8,500キープ(2010年1月現在)。レートは変動が激しいので注意。
     両替は、空港、街中にある各銀行の窓口あるいは銀行の両替所でできる。日本ではできない。
     ホテルやレストラン、お土産屋をはじめ、広くタイバーツや米ドルはそのまま使える。所持金全部をキープに両替するとかさばるので、高額の支払いはバーツや米ドル、細かい支払いはキープと使い分けると良い。
     クレジットカードはホテルやレストランなど限られたところでしか使えない。ヴィエンチャンにはごく少数のATMがあり、キープでの引き落としができる(たとえばラーオプラザホテルの向かい)。ヴィエンチャン以外の場合、ある程度の現金を持っておく必要がある。マルチエントリーのビザを取得していれば、タイに行きATMからバーツを引き落として使うことも視野に入れておくと良いだろう。

    <治安> 
     2003年に国道13号線バンヴィエン―ルアンパバーン間で車両の襲撃事件があり、死亡者も出た。また同時期にバスターミナルの爆破事件などがあった。現在の情勢は比較的安定しているが、それでも反政府集団とみられるグループによる襲撃事件が散発している。「外務省海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info4.asp?id=020)」にラオス全体の情報が掲載されているので、渡航の際には必ず確認すること。
     とはいえ、一般的には安全な国である。だが、どこにでもある危険はもちろんあるので用心は必要。私が調査をしていた頃(2000年中頃)、ヴィエンチャン市内でバイクによる引ったくりがニュースになっていた。現在も増加中のようなので、街歩きの際にはご注意を。
     フィールドワークで行くような地方レベルの情報は、都市部のラオス人はあまり知らなかったりします。県や郡レベルのスタッフに直接確認した方がよいでしょう。

    <その他> 
     4月のラオス新年(ピーマイ・ラーオ)の時期はあらゆる交通機関、宿泊施設が混むので、早めに予約をすること。
     渡航の際にはラオスだけでなくトランジット先の情勢にも注意すること。私が調査を終え帰国しようとした2006年、タイでクーデターが起こり帰国が危ぶまれたことがあった。
    (岩佐光広)
  • 3.医療情報

    <病気> 
     細菌性の赤痢、コレラ、腸チフス、破傷風、狂犬病、マラリア、デング熱等々、各種病気が揃っている。最近では鳥インフルエンザの感染例も報告されている。
     破傷風などのワクチンはラオスでも接種を受けることはできるが、長期滞在の場合、各種予防接種を検討されたい。

    <健康> 
     熱帯とはいえ12月から2月頃の夜は北部だけでなく南部でも冷え込む(サワンナケートでも15度を切ったことがある)。乾季は風が強く、都市部のホテルならばよいが、農山村では家の中にいても風が吹き込みとても寒い。長期間の滞在の場合、上着は購入できるが、寝袋は購入が難しいので、日本から持参していくことを進める。

    <病院> 
     首都には国際病院がある。だが設備やスタッフ、処置等に問題がないわけではない。精密な検査を要する症状、入院を必要とする状態の場合には、隣国タイの病院にアクセスするのが無難。
     歯科についてもラオスで治療はできるが、お勧めはしない。

    <食事> 
     ラオスで広く用いられる魚の発酵食品(パー・デーク)は、ラオス人もお腹を壊すという(おいしいのだが)。また魚の生食はタイ肝吸虫症の原因とされているので、避けるのが無難か(とてもおいしいのだが)。
    (岩佐光広)
  • 4.通信環境

    <電話> 
     現在では携帯電話が普及している。都市部であればたいていの場所では通じるが、農村部や山地での利用は制限される。携帯電話会社はLao Telecomをはじめいくつかあり、会社によって通話エリアが異なるので、自分のフィールド近辺で利用しやすい会社を確認しておくと良いだろう。
     国際電話はインターネット屋に行くとかけられる。日本だと1000kip/1分ほどが相場。携帯電話でかける場合には、専用のカードを購入する。その辺りの雑貨屋で購入することができる。

    <インターネット> 
     ヴィエンチャンなどの都市部には、たくさんのインターネット屋がある。ほとんどの店で日本語を使うことができる。PCを持参すればLAN回線を使わせてくれる。ヴィエンチャンならば100kip/1分ほど。ADSLやケーブルTVなどの回線が利用されているが、スピードにはばらつきがある。また、インターネット屋ではプリントアウトやCDを焼いたりすることも可能。
     携帯電話を使ってのインターネットサービスも利用できる。便利だが、対応の携帯電話の購入が必要(値が張るものが多い)。接続設定は、Lao Telecomなどの各携帯電話会社のサーヴィスカウンターにもっていくとしてくれる。

    <郵便> 
     小荷物はタラート・サオの向かい側にある中央郵便局から送ることができる。またその一画にあるFedExのオフィスからも送ることもできる。料金は日本まで100,000kip/1kgほど。
     地方の郵便局からでも国際便を送ることはできるが、避けたほうが無難(手紙が1通、小包が1個紛失したことがある)。
    (岩佐光広)
  • 5.ビザ、調査許可

    <ビザ> 
     2007年より日本人は15日以内の滞在ならばビザが不要となった。ただしビザ免除で入国した場合は滞在延長ができない。
     観光ビザ(1ヶ月)ならば、空港および国境においてアライバルビザの発給が可能。30米ドルと顔写真(3.5×4.5cm)が必要となる。ビザがある場合、タラート・サオの近くにあるイミグレで滞在延長申請が可能。2米ドル/1日と顔写真が必要。
     調査ビザは、ラオス語だと「ウィサー・カオオーク・ラーイトゥア(出入国が何回でもできるビザ)」と呼ばれる。これは6ヶ月間から1年間のマルチエントリービザである。調査ビザの申請システムはまだ十分に確立されておらず、カウンターパートによって手続きの仕方、必要な書類、かかる時間や費用に微妙な違いがあったりする。まずはカウンターパートとじっくり相談し、自分でも積極的に動くことで申請もスムーズになる。
     一例として、私が2005年に調査ビザを申請した際の一連の流れを書いておきます。ちなみにラオス人スタッフとともに奔走し、全行程に3ヶ月ほどを費やしました。なお、5年も前のことなので、大分状況が変わっていると思われますので、あくまで参考程度にご覧ください。
     まずビジネスビザを取得する。そのために必要となる書類を準備する。必要となったのは1)リサーチプロポーザル、2)パスポートのコピー、3)日本からの紹介状。カウンターパートに上記の書類を提出し、ラオス外務省宛の書類を作成してもらう
     カウンターパートからの紹介状と書類一式を持って外務省に行き、手続きを行う。数日後、ビザ番号が発給される。
     その番号のビジネスビザを取得する。私の場合、ツーリストビザで入国していたので、いったんタイに行き、ビザを変更する必要があった。このときはバンコクのラオス大使館で取得した。ここでの取得は午前中に申請すれば14時頃には受け取りが可能だった。知人の場合、日本に帰国する際に書類を提出し一連の手続きをカウンターパートに進めてもらい、発給されたビザナンバーをFAXにて受け取り、バンコクでビザを取ってから入国したそうだ。なおコンケーンでもビザの取得は可能だそうである。
     取得したビジネスビザをもとに、カウンターパートにIDカード申請のための紹介状と書類を作成してもらう。このときも先と同じ手順で上記書類一式を再度提出した。
     書類一式を持ち、外務省へ行き上記と同じ手続きで申請する。数日後、IDナンバーが発給される。
     そのナンバーと書類を持って、タラート・サオの近くにあるイミグレーションオフィスに行きIDカードを発給してもらう。このとき写真が2枚必要となる。数日後、1年間有効のIDカードが発給される。
     ビジネスビザ、IDカードのコピーと共に書類一式を提出し、カウンターパートに外務省宛の調査ビザ申請のための書類を作成してもらう。
     上記書類一式を持ち、外務省に行き調査ビザを申請し、パスポートとビザ代を提出する。申請が終われば数日でビザを取得することができる。

    <調査許可> 
     農村部における無許可での調査は難しい。調査者自身だけでなく、村落の人々にも多くの迷惑をかけることになるので控えること。
     ラオスはとにかくレターの国である。調査に行く前に、カウンターパートからのレターをもらうようにすること。そのレターをもって県、郡、村の関係者に順々にあいさつをし、ようやくフィールドに至る。
     レターや書類の作成には、なぜか時間がかかる。外国人の、とくに若者の書類はしばしば後回しにされやすい。面倒でもカウンターパート任せにせず、自分も一緒に書類提出などに行くようにして先方に印象付けるようにすると、大分スムーズにいく。
    (岩佐光広)
  • 6.カウンターパート、来日経験のある研究者

    カウンターパートとなるのは、大学か関連省庁が主である。個人で調査をする場合は、ラオス国立大学のvisiting researcherとなっている人が多い。文化や民族に関する調査であれば情報文化省管轄のラオス文化研究所、医療関係であれば保健省管轄の国立公衆衛生局(National Institute of Public Health: NIOPH)なども候補になるだろう。
    (岩佐光広)
  • 7.大学図書館、アーカイブス、本屋

    <図書館> 
     セタティラート通り沿い、ナムプ広場の向かいにラオス国立図書館(http://www.nationallibraryoflaos.org/)がある。日本語の本もけっこうある。ラオス国立大学の付属図書館も利用が可能。いずれも閲覧は可能だが、資料の貸し出しにはIDカードが必要。
     省庁や関連機関のなかには専用の図書館を併設しているところもある。医療関係であれば、タラート・クアディンの近くにある国立公衆衛生局(National Institute of Public Health, NIOPH)の図書館がある。

    <本屋> 
     ヴィエンチャンにはいくつかの本屋がある。噴水のあるナムプ広場からセタティラート通りを西に歩くと公営の本屋がある。ラオス語やベトナム語の書籍、ポスター、CDなどが買える。
     ラオス航空本社オフィスの向かい側にある「Vientiane Book Center」や、チャオアヌ通りにある通称「アーイ・ニョーの店」には、ラオス関連の洋書をはじめ、国内で出版された報告書や辞書などが揃う(古本、コピー含む)。
     国立文化会館の裏手、ワニャコーンホテルの脇にできた新しい本屋には、White Lotusなどの洋書(新本)などバンコクの本屋でよく見かけるラインナップが揃っている。

    <政府刊行物> 
     基本的には各省庁が保管しているが、全般的に資料の保管・保存状態は良くなく、資料探しには骨が折れる。UNDPなどの国際機関やNGOなどのオフィスごとに関連資料を保管していることもあるので、そこにアクセスしてみてもよい。
    (岩佐光広)
  • 8.機材・資料の持ち出し、持ち込み

    一般的な機材・資料の郵送に関しては<郵便>の項を参照。
     特殊な機材を持ち込むときは、カウンターパートに依頼し、レターを作成してもらうほうがスムーズでしょう。何が「特殊な機材」となるかは一概には言えないが、私が日本からちょっと大きめの顕微鏡を持ち込んだときはレターがあったにもかかわらず空港で止められ、カウンターパートのスタッフと一緒に受け取りに行った。
    (岩佐光広)
  • 9.調査グッズの現地調達

    文房具はたいてい揃うが、品質については微妙。フィールドノートなどの重要なものは日本から持って行ったほうが無難。
     パソコン関連は一通り揃うが、品揃えはよくない。USBメモリやSDカードは、ヴィエンチャンであれば「コピー屋」(写真の印刷やコピーをしてくれる店)に売っている。
     長期滞在中の機材の修理は、タイに行くのが無難だろう。
    (岩佐光広)
  • 10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研

    <日本人研究者>(五十音順)
    人類学: 嶋沢恭子(滋賀県立大学)、徳安祐子(九州大学)、中田友子(神戸市外国語大学)、西本太(総合地球環境学研究所)、林行夫(京都大学)、吉田香世子(京都大学)
    農学・生態学・植物学: 落合雪野(鹿児島大学)、河野泰之(京都大学)、小坂康之(総合地球環境学研究所)、富田晋介(東京大学)、百村帝彦(地球環境戦略研究機関)
    政治: 山田紀彦(アジア経済研究所)
    経済: 鈴木基義(広島大学)
    地理学: 中辻享(甲南大学)、横山智(名古屋大学)
    歴史: 飯嶋明子(天理大学)、菊池陽子(東京外国語大学)、増原善之(京都大学)
    言語: 鈴木玲子(東京外国語大学)、矢野順子(?)
    教育: 乾美紀(神戸大学)

    <プロジェクト>
    東南アジア稲作民族文化綜合調査
     日本民族学協会(日本民族学会の前身)が協会創立20周年を迎えた記念事業として1954年に企画されたラオス、タイ、カンボジアに関する総合的な学術調査。松本信弘を団長とする第一次調査団には、民族学(河部利夫、岩田慶治、綾部恒雄)、考古・歴史学(清水潤三、江坂輝弥)、技術文化(八幡一郎)、農学(浜田秀男、長重九)、言語学(浅井恵倫)の専門家が参加している。
    関連資料: 松本信広編、『インドシナ研究:東南アジア稲作民族文化綜合調査報告』、有隣堂.
    東南アジア稲作民族文化総合調査団編、1959、『メコン紀行:民族の源流をたずねて』、読売新聞社.
     
    ラオス地域人類学研究所(http://www.enhan.waseda.ac.jp/sanka/sanka_laos.html)
     早稲田大学文学部の21世紀COEプログラム推進研究拠点の一つ。1998年に設立された(代表:西村正雄)。2002~2006年度にかけて、ラオス南部のチャムパサックの文化人類学的研究(日常生活、食、音、記憶)、ワット・プー遺跡の考古学的研究に取り組んだ。
    関連資料: ラオス地域人類学研究所編、2007、『ラオス南部:文化的景観と記憶の探求』(アジア地域文化学叢書10)、有山閣.
     
    総合地球環境学研究所 
    「アジア・熱帯モンスーン地域における地域生態史の統合的研究:1945-2005」プロジェクト
    http://www.chikyu.ac.jp/ecohistory/index.htm
      総合地球環境学研究所の研究プロジェクトとして、2003~2007年度の5年間実施された(代表:秋道智彌)。ラオスを中心とするアジア大陸部の熱帯モンスーン地域における自然―人間系の動態と変容を「地域生態史」として明らかにすることを目的とし、生業複合と技術、栄養と健康、天然資源の管理という3テーマに注目しながら、農学、生態学、人文地理学、人類生態学、文化人類学、医学、歴史学など様々な研究者が関わっている。
    関連資料: 秋道智彌編、2007、『図録 メコンの世界:歴史と生態』、弘文堂.
    河野泰之編、2008、『生業の生態史』(論集 モンスーンアジアの生態史:地域と地球をつなぐ 第1巻)、弘文堂.
    クリスチャン・ダニエルス編、2008、『地域の生態史』(論集 モンスーンアジアの生態史:地域と地球をつなぐ 第2巻)、弘文堂.
    秋道智彌編、2008、『くらしと身体の生態史』(論集 モンスーンアジアの生態史:地域と地球をつなぐ 第3巻)、弘文堂.
    野中健一編、2008、『ヴィエンチャン平野の暮らし:天水田村の多様な環境利用』、めこん.
    横山智・落合雪野編、2008、『ラオス農山村地域研究』、めこん.
     
    総合地球環境学研究所「熱帯アジアの環境変化と感染症」プロジェクト
    http://www.chikyu.ac.jp/ecohealth/
      総合地球環境学研究所の研究プロジェクトとして、2007年度から5ヵ年の計画で実施されている(代表:門司和彦)。ラオスをはじめとする熱帯アジア・モンスーン地域において、人口増加と経済発展にともない自然環境・社会環境の変化と感染症の関係を総合的に検証 し、狭義の医科学では重要視されてこなかった人間の生存と健康に対する長期的・総合地球環境学的視点の確立を目的とする。
  • 11.そのほか、各地域情報など

    <ラオス語の学習>
     日本でラオス語を学ぶには、東京外国語大学大学院21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」が提供するTUFS言語モジュールの「ラオス語(http://www.coelang.tufs.ac.jp/modules/lo/index.html)」が利用可能。
     また東京外国語大学ラオス語専攻で、夏期セミナーなどを開催することもあるので要チェック。
     ラオスでの語学研修は、ラオス国立大学文学部において開講されている外国人向けの研修コースを利用することができる。コースは2種類あり、一つはラオス国立大学に留学する外国人を対象として開講されているコースで、「ピー・キィアム(準備年)」とよばれるもの。毎年9月から一年間、月曜日から金曜日まで毎日3時間ずつ講義がある。留学目的でなくても受講することは可能。
     もう一つは、ラオスに研究などで来ている外国人など向けの特別コースで、私が受講していたのもこれである。時間割、日数、授業のペースなども自分で選ぶことができる。一人だと1時間5ドル、最大5人で授業を受けることができる。講師は、ラオス人特有のマイペースな部分もあるが、外国人に教え慣れているので「ツボ」をおさえていてわかりやすい。だがこの講義を受けていた人の話をきくと、やはり先生の“当たり外れ”はあり、すべての先生が同じレヴェルにあるというわけではないようである。ある程度先生を選ぶということも必要になるであろう。また、初心者向けのコースではあるが、用いるテキストはすべてラオス語であるし、ほとんど英語ができない先生もいるので、最低限の読み書きや会話ができないと受講することは難しい。大学に通うのが大変な場合は、交渉によって先生に教えに来てもらうことも可能である。交渉次第であるが、この場合も1時間5ドル前後が相場か。私も、調査やプロジェクトの仕事などで講義にいけなかった日など、宿まで先生に来てもらって講義をしてもらったこともある。
    大学以外にもNGOや外国人専門家を相手にラオス語を教えていた経験のある人などがヴィエンチャン市内には多くいるので、予算や時間に応じて家庭教師を雇うことも可能である。

    <ラオス語のテキスト>
    ラオス語関連の日本語と英語のテキストのうち入手しやすいものを中心に挙げておくので、参考にしてください。
    辞書
    ◇ Phon Buaravong et al, English-Lao & Lao-English Dictionary for Foreigner, Vientiane, 2000.
    ラオス人によって作られたラオ-英&英-ラオ辞書で、ラオスにおいて最も一般的な辞書。“for foreigner”の場合ラオス語の発音がローマ字で表記されているので、わからない言葉を見つけたときや、ちょっとしたコミュニケーションには役に立つ。また略語リストも便利。ただ肝心な言葉が載っていないことが多く不満が残る。ラオスの書店で買える(標準版55,000キープ、外国人向け版120,000キープ)。
     
    ◇ Russell Marcus, English -Lao, Lao- English Dictionary, Revised Edition, Tuttle Publishing, 2002.
    1970年に初版が出版された辞書の改訂版である。旧字体が使われていたりして、多少使いにくいところもある。掲載されている語彙が上記の辞書と似ているので、どちらかを持っていれば十分かも。バンコクやラオスの書店で購入することができる(700バーツ)。
     
    ◇ 小此木国満編著、『すぐに使える日本語-ラオス語辞典』、国際語学社、1996.
      東南アジアの様々な言葉の辞書を出している著者の日-ラオの辞書である。日本語でラオス語の発音が書いてあり、声調も表記してあるので便利。同著者によって『すぐにはなせるラオス語会話』という会話集も出版されている。「併用されますと、なおいっそうのラオス語会話、ラオス語の構造理解の助けとなるでしょう」とのこと(4,120円)。
     
    (他にもKerr, Allen D.編のLao-English Dictionary(White Lotus)、James Higbie著のLao-English English-Lao Dictionary and Phrasebook、Bengawan Poomsan Becker著のLao-English English-Lao Dictionary (with Transliteration for Non-Lao Speaker)やフランス語による仏-ラオ辞典などもある。)
     
    ラオス語の教科書
    ◇ 鈴木玲子、ポーンケオ・チャンタマリー、『CDエクスプレス ラオス語』、白水社、2002.
    日本語で利用できる代表的なラオス語テキスト。発音、文法、会話と基本的なものを段階的に学ぶことができる。CDが添付されており、発音や聞き取りの練習には役に立つ。日本でラオス語を勉強しようと思ったらまずこの一冊を(2,500円)。
     
    ◇ チャンタソン・インタヴォン、吉田秀人、『ラオス語入門』、大学書林、1988.
    上記同様、日本語で利用できるテキスト。長文は少ないが、文法ごとにたくさんの例文が挙げられており、理解がしやすい。様々な単語や感嘆詞のような会話で頻繁に利用される言葉もたくさん載っており勉強になる(5,700円)。
     
    (他に英語のラオス語テキストでTatsuo Hoshino and Russell Marcus著Lao for Beginners: An Introduction to the Spoken and Written Language of Laos (Tuttle Publishing)、Buasawan Simmala and Bengawan Poomsan Becker著のLao For Beginners (Raiboon Publishing)、日本語によるラオス語会話集には小此木国満編著『すぐにはなせるラオス語会話』(国際語学社)がある。)
     
    旅行者向けのラオス語読本
    ◇ Joe Cummings, Lao Phrase Book (2ed edition), Lonely Planet, 2002.
    Lonely PlanetのPhrase Bookシリーズのラオス語版。声調、発音、文法についてわかりやすくかつ簡潔にまとめられている。挙げられている言葉も日常的に使われているものが多く、本のサイズもポケットサイズで、日常的な辞書代わりにはもってこいである。ちょっとしたエピソードやラオスの習慣の紹介なども面白く、お勧めの一冊である。バンコク空港などで買える(B570)。
     
    ◇ 亀田正人,『旅の指さし会話帳 ラオス』,情報センター出版局,2005.
    旅の指さし会話帳シリーズのラオス語版。日常生活を送るうえで必要最低限の単語は網羅されており、絵も一緒に載っているので理解しやすい。ラオス人との暇つぶしにももってこいである。タイ語版も一緒に持ち比較しながらよんでいくとボキャブラリーが増える。ラオスでは買うことができず、日本の書店で購入されたい(\1800)。
    (岩佐光広)

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