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アルジェリア

 
  • 1.外務省ホームページ 各国・地域情勢

    アルジェリア民主人民共和国:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/algeria/index.html
  • 2.旅行情報(空港、ホテル、換金/TC、治安など)

    日本からアルジェリアへの直行便はない。欧州を経由するか、カタール航空、トルコ航空などを利用する方法がある。

    ・山岳地帯、砂漠地帯などで、イスラーム主義武装勢力による、軍や政府施設を対象とした襲撃事件や外国人の誘拐事件が起こっているので、外務省の海外安全情報などで調査地域の安全状況を事前にチェックすること。できれば、さらに地元の人に照会して、具体的状況を直接教えてもらうとよい。夜間の移動を避け、臨機応変に行動できる、時間的余裕を持った旅行計画を立てること。

    ・すりや強盗などの一般犯罪にも注意が必要。山間部の移動は昼間に行う、街の中でも夜間の外出は避ける、貴重品はなるべく持ち歩かない、単独行動を取らずに地元の人と一緒に行動するなどの配慮を怠らないこと。

    ・女性研究者への注意。女性の一人歩きや服装について、特別に気を遣う必要はない。ヒジャーブも宗教施設以外では不要。ただし、女性が一人で旅行する習慣が基本的にないため、特に地方だとホテルに泊めてくれないこともある。現地の大学関係者などに事前に連絡を取り、身元保証人の役割を果たしてもらうとよい。身元と旅行の目的が分かれば、ホテル側も安心して受け入れてくれる。

    ・飲酒などイスラームの教えに反するとみなされる行為には慎重になること。ラマダーン月の日中は公共の場での飲食は避けたほうがよい。

    ・都市間の移動は6人乗りのグラン・タクシーがもっとも便利。バス、列車はタクシーより安いが、時間もかかる。都市内部の移動はプチ・タクシーが主要な手段だが、絶対数が少ないので行き先によっては乗車させてくれないことがある。無線タクシーは発達していないので、効率よく移動したいときは、個人タクシーの運転手の携帯電話番号を複数入手して、そのつど予約して来てもらうとよい。

    ・アルジェなどの都市部であれば、銀行でビザ、マスターなどのクレジットカードを用いてアルジェリア・ディーナールを引き出すことができる。両替は、ドルやユーロからであれば銀行、国営ホテルなどで受けつけているところが多いが、円はどこでも扱っているわけではない。持ち込み額が小さくても、外貨を持ち込むときは入国時に空港で申告を行い、出国時に求められた場合は、両替の記録とあわせて提示しなければならないので、注意すること。

    ・週末は金曜日と土曜日(1976年以来、週末は木曜日と金曜日だったが、2009年に再変更)。金曜礼拝の間は、商店なども閉まるので注意。
  • 3.医療情報

    とくに必要な予防接種はないが、食物で感染するA型肝炎に注意して、肉には完全に火を通すこと。水道水は北部であればまず飲んでも大丈夫。砂漠地帯では塩害で水が塩辛く、夏場の水道水はおなかを壊す原因にもなるので注意。

    ・医療施設は、公共施設と私立のクリニックに分かれる。前者の場合、治療費は安いが、込んでいて待たされる場合がある。クリニックの治療費は一般に高額。アスピリンなどの薬は薬局で手に入るが、地方だと品ぞろえがよくないことがある。
  • 4.通信環境

    一般家庭やホテルへのインターネットの普及率は低く、通信速度も遅い(特に南部)。インターネット・カフェではフランス語のOS、キーボードを使っている場合が多いが、自分のパソコンを持ち込んでつながせてもらうことも、交渉次第で可能。

    ・携帯電話はGMS方式で、安価なものでは3000円ほどで買うことができる。プリペイド式のSIMカードは携帯電話各社のショップで簡単に手に入る。山岳部や砂漠地域では電波が通じないところもある。
  • 5.ビザ、調査許可

    日本国籍の者はビザが必要。基本的に国籍のある国か、現住所のある(短期滞在ではなく、滞在許可証を所有している)国の領事館でしかビザを取ることができない。出先の国では申請しても管轄外という理由で受け付けられないことが多い。

    ・観光ビザ(3ヶ月まで)の発行には航空券、旅程表、住居証明(ホテルの予約証明など)などの書類が必要。ケースバイケースでこのほかにも書類が必要になる場合があるので、手続きには十分な時間的余裕をもち、書類については必ず直接アルジェリア大使館に問い合わせること。ビザは期間のほか、入国可能回数が明記されるので、いったん出国してまた戻る予定がある場合は、2回入国ビザ(ないしマルチビザ)を申請すること。

    ・3ヶ月を超える長期滞在(留学)の場合は、最初から学生ビザ/研究ビザを取得すること。入国後、すぐに管轄の警察で滞在許可証を申請することになる。

    ・筆者(2006年末より留学)の体験では、学生ビザ取得のために、申請書、写真、アルジェリア側研究機関の受け入れ証明書、日本での所属研究機関の推薦状、発行料、パスポートが必要だった。現地警察署での滞在許可証申請には、申請書の他、受け入れ研究機関による在学証明書、住居証明、収入証明(奨学生の場合は奨学金団体の証明書)、日本大使館発行の在留証明書、医師の健康診断書、パスポートとビザのコピー、写真10枚を提出した。その他、履歴書を要求されることもある。アラビア語、フランス語の書類はそのまま受け付けるが、英語の書類は法定翻訳にかけなければならない(現地の業者を利用できる)。書類が受理されれば、3ヶ月有効の仮滞在許可証が発行される。仮滞在許可証の有効期間中に、滞在許可証(筆者の場合、学生身分で2年間有効だった)が発行されることになる。
  • 6.カウンターパート、来日経験のある研究者

    人文社会科学の研究所としては、アルジェ大学・発展のための応用経済研究所(CREAD)がこれまで複数の日本人研究者を受け入れている。

    ・筑波大学北アフリカ研究センターが、アルジェ大学、オラン大学などと協定を結んでおり、理系・文系の研究者と交流を持っている。
  • 7.大学図書館、アーカイブス、本屋

    国立図書館、大学図書館はほとんどの場合、身分証や学生証の提示で入館できる。担当教授の紹介状を用意しておくと、より確実。

    ①アルジェリア国立図書館Bibliothèque Nationale
    旧館(住所:1, Avenue Frantz Fanon, Alger;電話/FAX:021-63-06-32/021-61-04-35)と新館(住所:El Hamma, Les Annassers, Alger;電話/FAX:021-67-57-81/021-67-29-99)とがある。植民地時代以来のマグリブ関係の社会科学文献を集めた「マグリブ文庫Fonds Maghrébin」、マイクロフィルム、蔵書の電子カタログは新館でしか閲覧できない。他方、旧館には植民地時代の定期刊行物(アラビア語およびフランス語)が豊富に所蔵されている。
    パスポートと在学証明書があれば、新旧館で利用できる短期閲覧許可証をその場で発行してくれる。

    ②アルジェリア国立文書館Centre des Archives Nationales
    住所:BP38 Lotissement des Vergers, Birkhadem-Alger
    電話/FAX:021-54-16-20/021-54-16-19
    オスマン朝時代から植民地期、独立後までの文書を保管。フランスとアルジェリアに分散している、フランスの植民地行政文書の一部をここで閲覧することが出来る。未整理の文書が多く、目録作成が遅れているが、作業は少しずつ進行している。
    閲覧に必要な手続きは決まっていないが、文書館長宛に、閲覧許可の申請と研究目的・内容を記した手紙(FAXでよい)を事前に出すと良い。次項の県文書館の閲覧許可も、基本的にはここで申請する。

    ③アルジェ/コンスタンチーヌ/オラン県立文書館Centre des Archives de la Wilaya d’Alger/Constantine/Oran
    (アルジェ県)住所:6, Rue Hocine Asselah, Alger;電話:021-71-14-26
    (コンスタンチーヌ県)住所:1, Rue du Docteur Moussa, Constantine;電話/FAX:04-64-15-23/04-92-22-09
    (オラン県)住所:Bd Colonel Abderrazak, Oran; 電話/FAX:041-40-18-28/041-40-18-25
    植民地時代のフランス行政文書のうち、県(アルジェ、コンスタンチーヌ、オランの旧北部三県)レベルのものはここに集まっている。文書整理の進行状況、閲覧の環境は文書館によって異なる。

    ④カトリック司教区研究所Centre d'Études Diocésain(Centre des Glycines)
    住所:5, Chemin des Glycines, 16006 Alger
    電話/FAX:021-23-03-10/021-23-94-85
    歴史、考古学を中心に約30,000冊の蔵書。独立後に発行された研究書(アラビア語、フランス語)のほか、植民地時代の文献もここで見ることが出来る。閲覧にはパスポート、在学証明書(学部以上)と登録料が必要。

    ⑤国立先史学・人類学および歴史学研究所Centre National de Recherches Préhistoriques Anthropologiques et Historiques(CNRPAH)
    住所:3, Rue Franklin Roosevelt, Alger
    電話/FAX:021-74-75-84/021-74-79-29
    web:http://www.cnrpah.org
    e-mail:cnrpah@yahoo.fr
    社会学、人類学の蔵書約13,500冊が閲覧できるほか、CNRPAHの出版物(雑誌、学位論文、学会議事録)の閲覧・購入が出来る。利用には在学証明書(修士以上)、パスポートのコピー、写真と登録料が必要。

    ⑥発展のための応用経済研究所Centre de Recherche en Économie Appliquée pour le Développement(CREAD)
    住所:Rue Djamel Eddine El Afghani, El Hammadia, BP 197 Rostomia, Bouzaréah-Alger
    電話/FAX:021-94-23-67/021-94-17-16
    web:http://www.cread.edu.dz
    経済学と社会学を専門とするアルジェ大学内の研究所。アルジェ中心街から少し離れたブーザレア・キャンパスにある。所内の図書館には6,000冊の書籍と4,500冊の雑誌が所蔵されており、修士課程以上の学生が利用できる。

    ⑦子ども・女性の人権に関する情報・資料センターCentre d'Information et de Documentation sur les Droit de l'Enfant et de la Femme(CIDDEF)
    住所:1, Rue Lettelier, Sacré-cœur, Alger
    電話/FAX:021-74-34-47
    web:http://www.ciddef-dz.com
    e-mail:contact@ciddef-dz.com;ciddefenfant@yahoo.fr
    女性と子どもの人権のための市民団体・研究者・個人への情報提供、啓発活動を行っている。蔵書約3,000冊。パスポートと学生証で利用できる。

    ⑧アルジェリア・マグリブ研究所Centre d'Études Maghrébines en Algérie(CEMA)
    住所:Université d'Oran Es-Senia, BP 1524 St. Charles, Oran
    電話/FAX:073-38-07-98/041-41-98-06
    web:http://www.cema-northafrica.org
    e-mail:contact@cema-northafrica.org
    2006年、オラン大学構内に創設されたアメリカ政府系の研究センター。アルジェリア人研究者と外国人研究者の交流の場となることが期待されている。
  • 8.機材・資料の持ち出し、持ち込み

    郵便事情はよいとは言えず、紛失や内容物の盗難もしばしば起こる。どうしても失いたくないものであれば、自力で持ち運ぶか、値段は高いが民間の運送会社を利用したほうが確実。

    ・郵便局にアルジェリアの書籍を持ち込んで日本に送付する場合は、あらかじめ書籍のリストを情報局に提出し、許可を得なければならない。歴史的建造物を含めた公的施設の撮影や、写真の公刊にも、行政の許可が必要である。
  • 9.調査グッズの現地調達

    電子機器の値段は日本よりも高い。延長コードがあるとホテルなどで便利な場合がある。これは現地で調達できる。

    ・電圧が安定しておらずPC等にダメージを与える場合があるので、特に長期滞在の場合は電圧安定装置(スタビライザー)があったほうがよい。現地でも買えるが、持ち運び可能な小型のものがよいのであれば、日本で入手して持っていくこと。
  • 10.日本人研究者情報/これまでの調査、科研

    (自然環境、歴史、政治、経済、宗教、文化など各分野で活躍する研究者など)
    歴史、政治、経済、社会、文化研究を通じてアルジェリアにかかわる研究者の数は少なくない。自分の専門に近く、現地体験のある研究者のアドバイスを受けるのが最良。

    ・具体的な研究者とその業績については、『上智アジア学』の日本におけるマグリブ研究特集号(2006年)にこれまで日本で出たマグリブ研究の分野別文献リスト(Shoko Watanabe, "Bibliography of Maghreb Studies in Japan", The Journal of Sophia Asian Studies, Sophia University, 24(2006):129-140)があるので、参照されたい。
  • 11.そのほか、各地域情報など

    アルジェリアは、隣国のモロッコ、チュニジアなどと比べると、外国人研究者の受け入れ体制がはっきりと制度化されていないので、研究者間の人脈ネットワークに多くを頼ることになる。アルジェリア人研究者は、外国人研究者がアルジェリアに感心を持ち、現地で滞在・調査することに対しては、概してとても好意的で、協力的である。

                                                           (2013年2月現在 渡邊祥子)

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